フランス大統領選挙の第一回投票が2017年4月23日に行われたのですが、数々の候補者の中、ルペン氏が21.4%の得票率を獲得し、マクロン氏が23.8%の得票率を獲得したため、決選投票にはルペン氏とマクロン氏が進出することとなりました。

ルペン氏は選挙活動中と相変わらず、EU離脱を進める考えが強いようです。一方のマクロン氏も変わらずに親EUを訴え続けています。

今回はルペン氏をクローズアップし、ルペン氏が大統領に就任した場合の、EU離脱について詳しく紹介していきたいと思います。

それでは最後までご覧ください。

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国民投票の時期

大統領就任後、2つの国民投票実施予定

  • 憲法改正を問う国民投票
  • EU離脱を問う国民投票

ルペン氏の公約の一つとして、EU離脱が掲げられているのですが、EU離脱実現のために、ルペン氏は国民投票を行うということも公言しています。

仏ル・モンド紙が2月初旬にルペン氏へのインタビューを行った際に、「大統領就任後の100日間で何を行うか?」と問いかけた際、ルペン氏が国民投票に関する詳しい発言をした模様です。

ルペン氏は、まず最初に2つの国民投票を実施するとし、詳しい内容としては就任後ただちに行う国民投票は、憲法改正を問う国民選挙だと発言しました。

その後、ブラッセルへ出向きEU各国との主権回復交渉を行い、6ヶ月間の交渉期間を経て、EU離脱を問う国民投票を実施すると答えたようです。

従って、ルペン氏の思惑通りに事が進めば、6か月後の2017年末にはEU離脱をするか否かの国民投票が、実施されるということとなります。

89条の国民投票の条件

  • 上下議会の賛成過半数
  • 国民投票
  • 改正しても良い憲法としてはならない憲法がある

フランス共和国憲法の改正は、政府または議会が憲法改正法案を提案し、上下院で過半数の賛成があった場合のみ可決されます。または、国民投票にて改正法案が成立します。

しかし、共和国政体は変更の対象にしてはいけないという一文があり、改正しても良いものと悪いものがあるということなのです。

EU離脱に関する憲法改正は容易に変更できるものではないということ、上下議会で過半数の賛成を集めることも難しいため、現状EU離脱の為の憲法改正に基づく国民投票を行うことは容易ではないということがわかります。

ルペン氏の戦略?!第11条の条件

フランス共和国憲法第11条では、ある一定の事柄に関する国民投票が行えます。

  • 公権力に関わる法案の国民投票
  • 国の経済政策や社会政策に関わる国民投票
  • 公共サービスの改革
  • 諸機関に影響をもたらす国民投票

これらの規定により、国民投票を実施し、EU離脱の可能性はあり得るのではないかという見方もあります。

フランス憲法の89条に乗っ取り、国民投票が行えない状態なのですが、ルペン氏は憲法11条を活用した国民投票を行うのではないかと、予想されているのです。

11条を活用すれば、議会での可決が必要なく一定の要件に関する国民投票が行えてしまうことがわかります。過去に11条を使用し国民投票を行った実例もあります。

ルペン氏は、弁護士資格を持つという一面もあり、過去のフランス国民投票の実例について把握していないとは考えにくいのです

大統領就任後、6カ月以内の国民投票を実施するという公約を一番に掲げていることからも、実現のための戦略をしっかりと考えているのではないかとかんがえられるのです。

可能性は五分五分なのではないかと思います。

 

EU離脱の時期

早ければ6ヶ月後の2017年末にはEU離脱実現となるでしょう。

しかし、もEU離脱を検討している最中なのですが、イギリスはEU離脱という前例のない交渉であり、慎重に進めていく必要があるとして、EU離脱の実現には至っていません。

また、イギリスのメイ首相は2017年3月29日にEUに向け、EU離脱の意向を示した書簡を送り、2年の期限を設け、交渉を始めることになりました。

イギリスは2年間の期間を設けているのに対し、フランスは6ヵ月間とかなり短い期間での実現を目指していることがわかります。

フランスのEU離脱も難航してしまう可能性があります。

ルペン氏の自身の現れなのでしょうか。フランスが6ヵ月間でのEU離脱実現となれば、イギリスのEU離脱が早まるという可能性もあるでしょう。

フランスEU離脱の可能性

フランスがEUを離脱する可能性は極めて低いのではないかと示唆されています。

なぜなら、ルペン氏の意向とは裏腹に、リスクのあるEU離脱を行わず、安定した生活を求めている国民が多いのです。

また、フランス憲法には、EUの一員であるという記述があるため、憲法改正を行わないことにはEU離脱を行うことは不可能なのです。しかし、EU離脱に伴う憲法改正のための国民投票を行うことすら、かなり難しい状況です。

大統領選挙後の6月に行われるフランス下院選挙において、ルペン氏率いる国民戦線が過半数の議席を獲得しなければ、国民投票を実施することはできません。国民戦線が過半数を獲得できなければ、新議会で国民投票の実施が可決されることが難しくなるからです

EU離脱為替影響

EU加盟国の中でも、フランスはEUを大きな力で支えています。

フランスがEUを離脱してしまうと、EUへの不信感が高まるため、ユーロ安となってしまうのではないかと予想されます。

既に、フランス大統領選第一回投票のあたりから、EU離脱を示唆し、ユーロを売り日本円を買うという動きが見られています。

今後最終決戦でルペン氏の大統領就任が決まれば、EU離脱の可能性がさらに高まり、ユーロを売る動きが加速しユーロ安となってしまうのではないでしょうか。

大きな為替変動により、出遅れてしまえば大損失となることもありますが、うまく立ち回ることで大きな利益を出すことも可能でしょう。

EU離脱によるフランスのメリット

これまで、EU加盟国であることから、EUのルールに基づき、フランスは制限や要求が行われてきました。しかし、EU離脱となれば、EUのルールにとらわれることが無くなります。

独立国として貿易が自由に行えるようになりますし、EUへ献上したり財政が厳しい他の加盟国に対し、投資をする必要もなくなります。

また、深刻化している移民・難民の問題も解消をすることができるでしょう。移民・難民を制限することにより、手当に当てていた税金が削減できます。

EU離脱を行うことで、フランスの財政は豊かになるのではないかと考えられます。

まとめ

  • 国民投票の時期は、大統領就任6ヶ月後の2017年末と予想できる。
  • EU離脱の時期は早ければ大統領選挙6ヶ月後。
  • 現状、フランスのEU離脱の可能性は低い。
  • EU離脱となれば、ユーロ安が予測される。
  • EU離脱が実現すると、フランスの財政は豊かになる。

フランス大統領選挙で、ルペン氏が大統領就任となれば、フランスEU離脱への動きは加速する事でしょう。

様々な問題も示唆されていますが、EU離脱のメリットもあるので、ルペン氏がEU離脱に前向きではない国民の気持ちをどれだけ動かせるかがキーポイントとなりそうです。

何はともあれ、穏便に収束することを祈ります。

長文お付き合いいただき、ありがとうございました。